水道管路の耐震設計-継手構造管路(ダクタイル鋳鉄管・ゴム輪接合塩化ビニル管)の計算

  継手構造管路の計算では、設計内圧、活荷重、温度変化、不同沈下および地震力によって生じる管体応力、継手伸縮量、継手屈曲角に対して、安全な管種および継手構造を選択することができます。
  レベル2地震動の軸応力は、非線形応答を考慮した解析を用いた簡便計算法で計算することが可能です。
 管路方向の地盤の不均一性による地盤歪みの増幅や地盤の3次元的挙動による管体応力の増加を考慮することができます。

 

 管体仕様

   

・ ダクタイル鋳鉄管の計算では、管の接合形式、種類および呼び径を指定することにより、あらかじめ登録された設計に必
   要な管の外径、管厚、管長、弾性係数、ポアソン比、線膨張係数、許容応力、設計照査用最大伸び量、許容屈曲角を自
   動的に設定することが可能。
・ 塩化ビニル管の計算では、管の規格、種類および呼び径を指定することにより、設計に必要な外径、管厚、管長、弾性係
   数、ポアソン比、線膨張係数、許容応力、許容伸縮量、許容屈曲角度を自動的に設定することが可能。
 

 地盤条件

   

・ 表層地盤および基盤層の剪断弾性波速度をN値より計算する場合は、計算に用いる対象剪断歪を「10-3」、「10-4」、
   「10-6」から選択することが可能。
・ 表層地盤および基盤層の剪断弾性波速度をPS検層等で測定された実測値での入力も可能。
・ 各層の平均N値はN値分布データより自動的に加重平均した値を用いることが可能。また、直接各層の平均N値を入力す
   ることも可能。

 

 常時荷重条件

   

・ 常時荷重として、「内圧」、「自動車荷重」、「温度変化」、「温度変化」、「不同沈下」の設定が可能。
・ 管に作用する自動車荷重は、T荷重種類を指定することにより、あらかじめ登録されたT荷重に対する後輪荷重、車両設
   置幅、分布角を自動的に設定したり、任意に設定することが可能。
・ 自動車荷重に考慮する衝撃係数を、道路土工カルバート工指針に従い土被りより自動的に設定したり、任意に設定する
   ことが可能。
・ 軟弱地盤区間における不同沈下の影響を、軟弱地盤区間長と中央部の不同沈下量を入力することにより算出が可能。

 

 地震時条件

 

・ レベル1地震動およびレベル2地震動それぞれで管体および継手照査が可能。
・ レベル1地震動およびレベル2地震動の管体および継手の照査を一括で行うことが可能。
・ レベル1地震動の基盤面における基準水平震度を任意に設定することが可能。
・ レベル1地震動に用いる地域補正係数を『水道施設耐震工法指針・解説』の『2009年版』または『1997年版』から選択す
   ることが可能。

   
   

・ 表層地盤の固有周期、速度応答スペクトルのSv等を直接入力することが可能なため、『水道施設耐震工法指針・解説
   2009年版』の設計地震動設定方法に対応した指定が可能。同様に、地盤の動的解析等で得られた結果を計算に反映す
   ることが可能。
・ レベル2地震動の軸応力は、非線形応答を考慮した解析を用いた簡便計算法で計算することが可能。計算方法として
   は、「滑りを考慮した速度応答スペクトルを用いる方法」または「管と地盤の摩擦力を設定する方法」から選択することが
  可能。
・ 管路方向の地盤の不均一性による地盤歪みの増幅を考慮することが可能(『水道施設耐震工法指針・解説2009年版』対
  応)
・ 地盤の3次元的挙動による管体応力の増加を考慮することが可能(重畳係数)。
・ 地盤変位の伝達係数α1、α2を計算で求める方法の他、地盤と同じ挙動をするとして「1.0」で計算することが可能。
・ 地盤の剛性係数を求めるために用いる係数C1、C2を、表層厚さと管径から計算で求める方法と、任意に設定する方法を
  選択することが可能。
・ 地盤の剛性係数を求めるために用いる単位体積重量および剪断弾性波速度を「表層の各層の値を加重平均値した値」、
   「管が埋設されている層の値」から選択することが可能。
・ 伸縮可撓継手がある場合の応力補正係数について、最大値または最小値を設定することが可能。

 

 結果出力

   

・ 計算結果を画面により確認可能。
・ 計算結果を、報告書形式で出力することが可能で、Microsoft Office Wordへの出力も他のCivil Softシリーズと同様にサ
   ポート。

 

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