更生複合管の構造計算 SPRana (スプラナ)

 “更生複合管の構造計算SPRana”は、SPR工法(製管工法)により更生された更生管きょに対して、既設管きょと更生材が一体構造となって外力に抵抗する複合管の設計手法(常時および地震時)を行うことができるアプリケーションです。

 “更生複合管の構造計算SPRana”は、「管きょ更生工法における設計・施工管理の手引き(案) 平成20年9月 (社)日本下水道協会」および「管更生の手引き(案) 平成13年6月 (社)日本下水道協会」を元にしたSPR工法による複合管の常時(円形・矩形・馬蹄形・蓋掛け)の照査に加え、「管きょ更生工法の耐震設計の考え方(案)と計算例 平成20年9月 (社)日本下水道協会」に沿った地震時(円形・矩形)の照査を行うことが可能です。

   

      

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    「地震時 浮き上がりの検討」詳細へ   「液状化の検討」詳細へ

常時の検討

 常時の照査では、コンクリートのひび割れを考慮した非線形FEM解析により、既設管きょの劣化状態等を反映した、既設管きょおよび更生後の複合管の終局耐荷力を評価し、限界状態設計法に基づく設計を行うことが可能で、「管きょ更生工法における設計・施工管理の手引き(案) 平成20年9月(社)日本下水道協会」および「管更生の手引き(案) 平成13年6月 (社)日本下水道協会」と同様な設計手法により、SPR工法(製管工法)により更生された複合管に対して、限界状態設計法である使用限界状態(ひび割れ)の照査後、終局限界状態(破壊)の安全性の確認を行う事が可能です。
 本アプリケーションでは、非線形FEM解析で一番大変な解析モデルの作成を、既設管きょの埋設条件、形状寸法、劣化状態、材料条件および更生後の各条件等を入力することにより自動作成するため、非線形FEM解析を意識することなく、既設管きょおよび更生後の複合管の安全性の確認を行い、照査結果を報告書形式で出力することが可能です。

        

                         図-1 円形・矩形・馬蹄形・蓋掛けの複合管のモデル図

 

 照査条件

・ 対象断面形状として円形、矩形、馬蹄形および蓋掛けの4タイプの照査が可能(更生後の複合管の内面形状は既設管きょと同一形状)。
・ 既設管きょのみの照査が可能。
・ 既設部材と更生部材との接触面に滑りを考慮することが可能。
・ 照査手法は、「荷重係数により照査」または「断面力により照査」から選択可能。
 

 埋設条件

   

・ 既設管きょの土被りおよび地表面からの地下水位を入力することにより、鉛直土圧、水平土圧および地下水圧を解析モデルに自動設定。
   また、水平土圧を無視することも可能。
・ 底版下面には、「底版反力」または「固定(剛体基礎)」を選択可能。
・ 円形管きょの場合は、鉛直土圧公式を「直土圧式」または「緩み土圧式」から選択可能。
 

 活荷重条件

   

・ 活荷重は、「自動車荷重」、「軌道荷重(EA荷重)」または「上載荷重(等分布荷重)」を選択可能。
・ 鉛直方向および水平方向の活荷重を個々に考慮することが可能で、鉛直方向のみ、水平方向のみ、
   または、鉛直方向と水平方向を同時に考慮することが可能。
・ 自動車荷重に考慮する衝撃係数は任意に設定可能で、また、衝撃係数を考慮する判定土被りも任意に設定することが可能。
 

 既設条件

   

・ 円形および矩形きょでは、予め登録された製品(製品名称・呼び寸法・形状寸法・配筋)を選択可能。
・ 馬蹄きょの形状は、「2R馬蹄きょ」、「3R馬蹄きょ」、「4R馬蹄きょ」または「任意馬蹄きょ」を選択可能。
・ 蓋掛けきょでは、蓋部と側壁および底版部毎にコンクリートおよび鉄筋を材料強度を設定可能。
・ 配筋は各部位毎に設定が可能。また、矩形きょおよび蓋掛けきょ底版にはハンチ筋を考慮することが可能。
・ 部材の劣化状態として、各部位毎の腐食量(部材厚および鉄筋量)を考慮可能。
・ コンクリートおよび鉄筋の劣化状態を材料強度により設定可能。

 

 更生条件

   

・ 既設管きょと同一な更生形状を設定可能。
・ 更生材(プロファイル、スチール補強材および裏込め材)は、予め登録された材料から選択可能。
・ 更生材の設置位置は、「管底配置」、「中心配置」または「任意配置」を選択可能。
・ 裏込め材内に補強鉄筋を設定可能。
 

 任意荷重

   

・ 任意荷重(死荷重または活荷重)として分布荷重を、各部位(底版以外)に設定可能。
 

 結果出力

         

・ 入力条件(荷重条件)、断面力、クラック図(ひび割れ)および照査結果を画面により確認可能。
・ 断面力は、終局限界時の設計荷重時および最大荷重時を確認することが可能。
・ クラック図(ひび割れ)は、終局限界時の設計荷重時、ひび割れ発生時および最大荷重時を確認することが可能。


                

       矩形きょサンプル動画           馬蹄きょサンプル動画         円形きょサンプル動画      蓋掛けきょサンプル動画

・ 破壊に至るまでのひび割れの進展をアニメーションにより確認することが可能(AVIファイル等に保存可能)。
 

      

・ 照査結果は、報告書形式で出力することが可能で、Microsoft Office Wordへの出力も他のCivilPlazaシリーズと同様にサポート。
 

 常時の解析精度

本アプリケーションによる常時の解析結果は、外圧試験結果と比較検証され、ひびわれ発生荷重と最大荷重を精度良く算出でき、破壊に至るまでのひび割れ進展・変形挙動についても下表のようにほぼ一致することが確認されています。

 

        表-1 矩形(1500mm×1500mm)に関する荷重―変位関係               


 

        表-2 円形(φ1000mm)更生管に関する荷重―変位関係

 
 

        表-3 最大荷重に関する解析値と実験値の比較

   ※日本工営(株)、東京都下水道サービス(株)、足立建設工業(株)および
                                                          積水化学工業(株)の4社により実施された外圧試験および解析結果より

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地震時の検討

 地震時の照査では、「下水道施設の耐震対策指針と解説 -2006年版- (社)日本下水道協会」および「下水道施設耐震計算例 -管路施設編- 2001年版 (社)日本下水道協会」を基に、「管きょ更生工法の耐震設計の考え方(案)と計算例 平成20年9月 (社)日本下水道協会」と同様な設計手法により、SPR工法(製管工法)により更生された複合管に対して、鉛直断面、管軸方向および浮上がりの検討、また、周辺地盤の液状化の検討を行うことが可能です。

 

 鉛直断面の検討

 地震時の鉛直断面の検討では、SPR工法(製管工法)により更生された複合管に対して、常時の荷重のほかに、地震動による深さ方向の相対変位を地盤バネを介して外力に変換した地震時水平土圧および外周面に作用する地震時周面せん断力の荷重条件をもとに、弾性床上のはりバネモデルによる構造計算(フレーム計算)を行い、許容応力度設計法または限界状態設計法(終局限界状態)により、常時で設定した断面の照査を行うことが可能です。

   

    

・ 対象断面形状として円形および矩形の2タイプの照査が可能(更生後の複合管の内面形状は既設管きょと同一形状)。
・ 部材の等価剛性は、「軸力部材(EA換算)」または「曲げ部材(EI換算)」から選択可能。
・ 既設管の周面地盤に埋設時の埋戻し土を考慮することが可能。
・ 埋設条件、既設条件および更生条件は、基本的に「常時の検討」と同様な設計条件を設定することが可能。
・ 部材の劣化状態として、「常時の検討」と同様に各部位毎の腐食量(部材厚および鉄筋量)を考慮可能。
   また、コンクリートおよび鉄筋の劣化状態を材料強度により設定可能。

   

    

・ 変形係数の推定方式は、「平板載荷試験」、「孔内水平載荷試験」、「一軸・三軸圧縮試験」または「標準貫入試験(N値)」より選択可能。
・ 地盤反力係数の推定に用いる係数αは、「日本下水道協会」または「日本道路協会」より選択可能。また、係数αを直接入力することも可能。
・ せん断弾性波速度Vsは、「N値より算出」または「実測値を入力」から選択可能。
・ 固有周期TSを算出する時の地盤の特性値TGに乗じる係数を地震動毎(レベル1・レベル2)に設定可能。また、固有周期TSを直接入力することも可能。
・ 設計応答速度を地震動毎(レベル1地震動・レベル2地震動)に直接入力することが可能。
・ 円形では、「下水道施設の耐震対策指針と解説 -2006年版- (社)日本下水道協会」
  
および「下水道施設耐震計算例 -管路施設編- 2001年版 (社)日本下水道協会」等に記載されている周面せん断力を考慮することが可能。
・ 動的せん断変形係数は、「せん断弾性波速度により計算」または「地盤の変形係数により計算」より選択可能。
   また、動的せん断変形係数を直接入力することも可能。
・ 地盤歪みの大きさに基ずく補正係数Cvを地震動毎(レベル1・レベル2)に設定可能。
・ せん断力の照査(許容応力度設計法)に使用する許容応力度は、「平均せん断応力度」または「最大せん断応力度」より選択可能。
   また、「平均せん断応力度」の場合は、有効高、鉄筋比および圧縮力を考慮して補正することも可能。
・ 限界状態設計法により照査を行う場合、材料係数、部材係数および構造物係数を設定可能。また、荷重係数および構造解析係数を考慮することも可能。

      

・ 入力条件(荷重条件)、断面力および照査結果を画面により確認可能。
・ 照査結果は、報告書形式で出力することが可能で、Microsoft Office Wordへの出力も他のCivilPlazaシリーズと同様にサポート。

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 管軸方向の検討

 地震時の管軸方向の検討では、既設管の管きょと管きょの継手部に生じる地震時の屈曲角および抜出し量に対して、SPR工法(製管工法)により更生された複合管のかん合部材(プロファイル)間の継手部の屈曲角および抜出し量により、安全性の照査を行うことが可能です。

   

・ 対象断面形状として円形の照査が可能(更生後の複合管の内面形状は既設管きょと同一形状)。
・ レベル1地震動では、地震動による屈曲角および抜出し量、地盤の硬軟急変部の抜出し量、浅層不整形地盤での抜出し量に対して、
   かん合部材(プロファイル)間の継手部の使用限界屈曲角および使用限界抜出し量により、安全性の照査を行うことが可能。
・ レベル2地震動では、地震動による屈曲角および抜出し量、地盤の液状化に伴う地盤沈下による屈曲角および抜出し量、地盤の液状化に伴う永久ひずみ
   による抜出し量、急傾斜地での永久ひずみによる抜出し量、地盤の硬軟急変部の抜出し量、浅層不整形地盤での抜出し量に対して、
   かん合部材(プロファイル)間の継手部の終局用限界屈曲角および終局限界抜出し量により、安全性の照査を行うことが可能。
・ 埋設条件、既設条件および更生条件は、基本的に「常時の検討」と同様な設計条件を設定することが可能。
・ せん断弾性波速度Vsは、「N値より算出」または「実測値を入力」から選択可能。
・ 固有周期TSを算出する時の地盤の特性値TGに乗じる係数を地震動毎(レベル1・レベル2)に設定可能。また、固有周期TSを直接入力することも可能。
・ 設計応答速度を地震動毎(レベル1地震動・レベル2地震動)に直接入力することが可能。

      

・ 各検討項目に対しての照査結果を画面により確認可能。
・ 照査結果は、報告書形式で出力することが可能で、Microsoft Office Wordへの出力も他のCivilPlazaシリーズと同様にサポート。

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 浮上がりの検討

 地震時の浮上がりの検討では、SPR工法(製管工法)により更生された複合管に対して、周辺地盤の液状化に伴う浮上がりの安全性の照査を行うことが可能です。

    

   

・ 対象断面形状として円形および矩形の2タイプの照査が可能(更生後の複合管の内面形状は既設管きょと同一形状)。
・ 埋設条件、既設条件および更生条件は、基本的に「常時の検討」と同様な設計条件を設定することが可能。

   

・ 浮上がりに対する安全性の照査結果を画面により確認可能。
・ 照査結果は、報告書形式で出力することが可能で、Microsoft Office Wordへの出力も他のCivilPlazaシリーズと同様にサポート。

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 液状化の検討

 設計地盤が地下水で飽和した砂質士および軟弱な中間土で構成されている場合、その地層の液状化の可能性の有無について判定を行うことが可能です。

   

・ 液状化層と判定された場合の各層の液状化による沈下量を算出することが可能
・ 液状化に対する抵抗率FLの値に応じた耐震設計上の土質定数の低減係数の算出を行うことが可能。
・ 設計地盤の液状化指数PLを算出することが可能。

   

     

・ 液状化の判定、液状化による沈下量、土質定数の低減係数および設計地盤の液状化指数を画面により確認可能。
・ 照査結果は、報告書形式で出力することが可能で、Microsoft Office Wordへの出力も他のCivilPlazaシリーズと同様にサポート。

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諸元設定

常時および地震時の照査で使用する各諸元を予め登録することが可能です。

・ 更生材のプロファイル(かん合部材)および裏込め材の諸元値を登録可能。
・ コンクリート材料および鉄筋材料の諸元値を登録可能。
・ 既設管(円形および矩形)の形状寸法および配筋の諸元値を登録可能。

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アプリケーションの特徴

 同時に複数の照査結果を確認(マルチドキュメント機能)

・ 照査を行う際に複数のケースを同時に扱うことが可能で、SPR工法(製管工法)により更生された最適な複合管の形状を容易に確認。
・ マルチドキュメント機能により、常時の鉛直断面の検討では、既設管のみの検討から更生後の検討が容易に確認。
・ マルチドキュメント機能により、常時から地震時の照査結果を同時に確認することができ、設計がスムーズに実行可能。
 

 ドラック&ドロップの機能

・ 各検討で共有している入力データ(設計条件)は、ドラック&ドロップの機能により、他の検討ケースにコピーすることが可能。
・ ドラック&ドロップの機能により、常時の検討から地震時の検討をスムーズに実行可能。
 

 インテリマウスのホイールボタン機能

・ ホイールボタンを指定することにより、同一検討条件の新規検討データを自動作成することが可能。
・ ホイールボタン機能により、一部の条件を変更して比較検討する場合などに容易に実行可能。
 

お問い合わせ


  上記についてご不明な点が御座いましたら、お近くの弊社営業所までお問い合わせください。

   尚、上記記載内容につきましては改良のため予告なしに変更する場合があります。

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