SXFフォーマットについて

SCADEC(Standard CAD data Exchange format in japanese Construction field)の経緯

2001年度からCADデータの電子納品が実施されます。公共事業では、納品データに特定のCADメーカに依存するデータフォーマットを指定することはできません。また、実際、CADソフトの個数分以上に交換のルールを定め、納品体制を組むことも不可能です。そのため、CADデータの電子納品では、いろいろなCADソフト間でデータの交換ができる交換標準を利用することとなります。更に、外国企業の参入も妨げないようにするため、この交換標準は国際規格に沿ったものであることが必要です。

このような背景から、JACICでは1999年3月、我が国の建設分野(土木・建築)を対象としたCADデータ交換標準仕様の開発を目指すこととしました。公共事業に携わる関係者やCADソフト等の関係者に広く参加を呼びかけ、「CADデータ交換標準開発コンソーシアム」(以下、コンソーシアム)を組織し、官民の建設業界関係者及びCADメーカ(37機関、201社)等、この分野に関連する多くの方々に参画いただいて臨んだものです。

2000年8月には、2次元CADデータフォーマットの標準を国際標準に則った形で策定することができ、公共発注機関を含む関係者間で円滑なデータ交換・共有環境の構築を行う目処が立ちました。

SCADECとは、CADデータ交換標準コンソーシアムの英語略称です。

 

SXFの概要

1. SXF仕様の背景

2001年度から国土交通省直轄工事の一部で図面の電子納品が実施されます。図面はCADデータで納品されることが義務付けられます。しかし,現在,業務ごとに様々なCADが使われているため,全くルールの無い状態で電子納品を行うと,受注者,発注者双方に大きな混乱をきたすことになります。事業全体で一つの特定CADメーカのデータフォーマットに決めてしまえばそのようなことは考えなくて済みますが,公共事業の性格上,それは不可能な話です。また,CADが持つべき機能は適用分野ごとに異なるため,どのCADソフトがよいかはユーザの自由な選択に任せるべきでしょう。

このような事情からCADデータの電子納品は、関係者の合意の下,いろいろなCADソフト間で正確にデータの交換ができる共通ルール(中間ファイルフォーマット:交換標準)を定めて行う必要が生じます。更には、国外企業の公共事業への参入も妨げてはならないので、この交換標準は国際規格に則ったものであることが必須です。

JACICでは1999年3月、我が国の建設分野(土木・建築)を対象としたCADデータ交換標準仕様の開発を開始しました。公共事業に携わる関係者やCADソフト等の関係者に広く参加を呼びかけ、「CADデータ交換標準開発コンソーシアム」(以下、コンソーシアム)を組織し、官民の建設業界関係者及びCADメーカ(37機関、201社)等、この分野に関連する多くの方々に参画いただいて臨んだものです。

ここで与えられた目標は,次の2つでした。

  ・建設分野(土木・建築)の図面データ交換フォーマットの標準仕様を策定すること

  ・上記の図面データ交換フォーマットを利用するための各種ソフトウェアツールを開発すること

2000年8月には上記目標を達成し、2次元CADデータ交換のための物理フォーマットを国際標準規約に則った形で策定することができました。この時,公共発注機関を含む関係者間で円滑なデータ交換・共有環境の構築を行う目処が立ちました。この開発成果は現在,JACICが主催する建設情報標準化委員会,CADデータ交換標準小委員会にて引き継がれています。

 

2. 開発された交換標準とツールについて

この交換標準はコンソーシアムの英語略称であるSCADEC(Standard CAD data Exchange format in japanese Construction field)にちなみ,SXF標準と呼ばれます。現在のバージョンは,2.0で,国際標準であるISO10303 STEP/AP202規約に則った電子納品のための.p21形式,関係者間でのCADデータ交換のための簡易な形式である.sfc,双方の物理ファイルをサポートしています。

標準開発は以下の3つの方針で実施されました。

(a)建設分野の実情に合わせたCADデータ交換が行えること
→2次元CADデータを対象としました。

(b)段階的に開発を進めること
→交換の難易度,用途の複雑さに応じた開発レベルを設定(レベル1〜4)しました。

(c)国際規格に準拠した標準とすること →ISO(国際標準化機構)規格STEP AP202を採用しました

少しCAD技術の細かい話になりますが、方針(2)について説明します。開発レベルは次のような段階分けになっています。

  ・レベル1:画面(紙)上で、図面表示が正確に再現できること。

  ・レベル2:2次元CAD製図データの要求を十分満たし、再利用時における使い勝手が確保されること。

  ・レベル3:STEP/AP202(CC2)で決めている製図機能を全て満たすこと。

  ・レベル4:STEP/AP202の製図機能だけではなく、建設分野特有の情報も付け加え、図面データの高度利用ができること。

現在,実用化されているものはレベル1、レベル2の標準です。図面の再利用を考えると、CADデータの電子納品においても、将来,レベル2程度の仕様を満たす交換標準の採用が適当と考えられます。

SXFの概要 (技術編)

1. SXF標準で相互に交換可能なCADデータ

SXF 標準Ver2.0では、図形データをCAD間相互で正確に交換するための工夫をしています。このための実装の工夫が“フィーチャ”で,エンドユーザの立場からは実質的な図形データの交換単位とみなすこともできます。

フィーチャは大きく、次の3つに分類できます。

図面構造
用紙、レイヤーコードなど、最も基礎的な情報です。
幾何要素/標記要素
画面(紙)上で、最低限“図面”を再現するために必要な情報
構造化要素
2次元製図データとしての図面情報を再現するために必要な情報

フィーチャは、CADソフトの開発者がSTEP/AP202に関する詳細を知らなくてもCADデータ交換の変換システムを作れるように配慮された実務上の工夫なのです。

1. SXF標準で相互に交換可能なCADデータ

JACICが国土交通省の委託を受け、CAD交換標準開発コンソーシアムの成果(CADデータ交換標準SXF Ver1.0)に基づき、SXF Ver2.0に合わせ開発を行ったものが、sfc共通ライブラリ、p21共通ライブラリです。

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